メンフィス・グリズリーズがNBA最大のサプライズとなった理由

2026年11月5日

サイズとパワー、そして十分な胆力が、NBAのサプライズチームを本格的な脅威へと押し上げた。

メンフィスは“ブラフ・シティ”と呼ばれることもあるが、開幕直前にグリズリーズのヘッドコーチ、トゥオマス・イサロが「このチームは良い位置にいる」と語ったとき、彼は欺くつもりはなかったのだと分かった。

バーベキューとブルースで知られるこの街は、いまや対戦相手をことごとく喰らうかのように相手を圧倒するバスケットボールチームを見守りつつ、シーズン開幕前には必ずしも明確なアイデンティティを持っていなかったとされるそのチームを高く評価して称賛している。

グリズリーズがこのNBA開幕の最初の2週間で、リーグ屈指のチームと得点を競い合い、それらの得点を引き立てる泥臭い仕事もこなせることを示したことで、誰もが驚くべき時が来たと感じている。

シーズン開幕6連勝の後に迎えた初黒星となった月曜日にも、グリズリーズはレギュレーションの残り1分43秒で9-0のランを作り、延長戦を強いられた。

その試合でタイ・ジェロームは遅い時間帯の9点をすべて叩き出した。彼は勝てた可能性もあったが、延長のブザー前の15フィートのシュートは惜しくも枠を外れた。

それでもジェロームはこの試合で40得点を挙げ、3ポイントは6本中5本を決めるなど、再びエネルギッシュで大胆なプレーを見せた。

ジャ・モラント時代の後を受け継ぐことに躊躇しつつも、グリズリーズのファンは序盤のジェロームの平均28.2点といった数字にそれほど固執していない。

ジェローム以外にも、ルーキーのカメロン・ブーザーや頑強なガードのセドリック・カワードといった、ディビジョンIIIの新入生からデューク大学の進学、4年でNBAの先発へと駆け上がった若手スターを信じるべき存在が現れている。

アイザイア・スチュワートとジェイレン・ウェルズは、二桁得点を挙げる5人の選手グループを形成している。

シーズン開幕時、グリズリーズには大きな期待は寄せられていなかった。メンフィスは西部の下位に沈むのではないかと見られていたのだ。ロサンゼルス・クリッパーズやサクラメント・キングスのようなチームと並ぶ存在になるとは、誰も予想しなかった。

低い期待はイサロが望んだスタンスだったのかもしれない。フィンランド出身で、これまで欧州でプレーし指揮してきた人物が、2024年にグリズリーズのスタッフとして参加する際には、新体制のロスターに対して幅広い期待を抱いていた。

「良い印象を与えたい。勝つだけでなく、ファンをも引きつけ、私たちのプレーの仕方によって応援したくなるチームだと証明するために戦っているんだ」と、開幕前に記者団へ語ったイサロ。

自己認識への自覚は、長い道のりで大きな意味を持っている。

長らくベンチを主戦場にしてきたジェロームは、これまでのシーズンで平均を12.5点以上に到達したことがないが、現在は5.8アシストでチームを牽引している。これは同じくリーグデビューのブーザーが記録する5.7アシストをわずかに上回る。

ブーザーはリーグデビューの時点で5.7アシストを記録しており、得点は17.4点、リバウンドは10.3と、働き盛りのリーグの要件に見事に適合している。彼の父カルロス・ブーザーも13シーズンで平均得点が10点を下回ることがなかった強力なフォワードだった。

そのNBA DNAが、若いブーザーの学習曲線を短くしている。

身長6フィート5インチ、体重200ポンド超のカワードはガードのポジションから独自のフィジカルなスタイルを見せ、開幕から6試合で3ポイントを57.7%の成功率で決めている。

ブーザー、カワード、そしてビッグマンのザック・イディーが先頭に立つリバウンドは、1試合49.7リバウンドでNBAトップを記録している。ディフェンスは1試合110.1点の許容で、シーズン初期はリーグの上位に位置していた。

得点力は?1試合123.0点でNBAトップを走っている。

序盤の相手関係が緩やかだったことがグリズリーズの背中を押したのかもしれないが、先週、再起を図る西部のチーム、ポートランド・トレイルブレイザーズを20点以上の差で破るなどして、その勢いを見せた。

オクラホマシティ・サンダーが多くの負傷からの立て直しを図る中、次の大きな試練は来週ホームでのデンバー・ナゲッツ戦となる可能性が高い。ペリカンズとの再戦も控えている。

グリズリーズは春先まで会議のトップを維持するとは限らないが、プレーオフへの復帰はもはや不可能な話ではない。そこに到達すれば、2022年以来初となる2回戦進出を最優先とすることになるだろう。

その時、メンフィスは堂々と立ち上がるだろう。

高橋 彩乃

高橋 彩乃

日本のスポーツライターです。プロ野球、MLB、高校野球を中心に、試合の流れや選手の背景を丁寧に追っています。現場の空気感とデータの両面から、野球の魅力をわかりやすく届けることを大切にしています。